新たな習慣を身につけたいときは、取り組むハードルを低くしようとよく言われます。
「ハードルを低く」とは具体的にどういうことなのか。個人的には苦痛と面倒くささを除去することだと解釈しています。
では、普段全く運動しない人が自宅での運動習慣を身につけたいとき、「ハードルを低く」とはどうしたらいいのか。
わたしが見つけた答えは「ヨガマットを敷きっぱなしにすること」でした。
今でこそほぼ毎日筋トレしているわたしも、始まりはヨガマットにただ寝そべることでした。過去の経験談をもとに、ヨガマット敷きっぱなしを薦める理由をお話します。
また、記事の最後ではヨガマットの選び方についても紹介します。
これから運動習慣を身につけたい方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
目次
運動習慣ゼロからのスタート
今から2、3年前、筆者は運動習慣が全くのゼロでした。
当時は適応障害(うつ)で療養中。運動どころか外出すらしない日が多く、ごろごろしていたら1日が終わるのも日常茶飯事でした。
当然体力は落ちまくり、運動しようと思っただけで疲れると言っても過言ではなかった。
でも運動したかった。切実でした。運動はうつにいいと聞くし、体にいいのは分かりきっているし、何より体力を取り戻したい。
いろいろ試してはみたんです。天気がいいときに家の近くを散歩したり、硬い床の上でストレッチしてみたり、唐突にスクワットを始めてみたり。
どれも続きませんでした。今思うとハードルが高すぎた。うつとか体力うんぬん以前に、高校卒業後は運動から遠ざかっている・運動神経悪すぎな身にとって、いきなり運動は苦痛と面倒くささが大きすぎました。
そんなわたしでも唯一続いたのが居間にヨガマットを敷きっぱなしにすることでした。
家族のマットに便乗
きっかけはおぼろげにしか覚えていません。というか敷いたのはわたしではない。
父が腰痛対策か何かでストレッチを始めるべく、居間にヨガマットを敷きました。
余談ですが父はオガトレのYouTube動画を気に入って繰り返していました。体が硬い人向けストレッチの本を買っていた。
毎日朝晩のペースで使っており、誰も片付けず何となく敷きっぱなしになっていました。
家の中でゴロゴロする場所を常に求めていたわたしが見逃すはずがありません。
父が使っていない隙を見計らってゴロンと寝そべってみる。なかなかいい感じです。
マットの程よい弾力で骨が痛くないし、床からの冷気を遮断してくれる。
家にヨガマットがあると知ってはいたんです。数年前に買って、玄関収納の奥底にしまいっぱなしになっていた。一度も出したことはありませんでした。
初めてヨガマットというものに触って、これがあれば家での運動の苦痛が減りそうだなと感じました。
毎日父がストレッチしているのを見ると、わたしも真似したくなってくる。
見よう見まねで開脚してみたり、あぐらの姿勢で前屈してみたり。マットの上なら背中が痛くないからと、腹筋(らしきもの)を少ししてみたり。
寝そべったついでに足首を回せたら万々歳という程度のゆるいテンションでした。マットの上でゴロゴロしたついでに運動できちゃうので、「運動する・しない」に悩んで脳の決断リソースを浪費せずに済む。
毎日やっていたわけではありません。気が向いたときだけ。習慣化しようという意気込みは皆無だった。
それでも、日常に運動の時間がぬるっと入りこんできました。
日常に溶け込めた理由
なぜ日常に溶け込めたのか?理由は3つあります。
体が痛くない
一つ目はすでに書いたように、マットありなら体が痛くない。
床の上でストレッチや筋トレをすると体の痛みや床の冷たさがつらいです。痛みや冷たさが嫌だと無意識に思って運動を避けていた節がある。
マットの上なら運動が苦痛にならないというのは、知ってる人にとっては当たり前なんだろうけど、自分にとっては驚きの発見でした。体の痛みという分かりやすい苦痛が解消された。
片付ける手間なし
二つ目は敷きっぱなしで片付けなかったことです。
いくらマットの上が快適だからと言って、使うたびにいちいち片付けていたら絶対に続かなかった。自分のズボラさには自信がある。
片付けの面倒くささを解決できました。*
運動しなくてもノーストレス
三つ目は運動できなくてもストレスが溜まらなかったことです。
マットが運動のためだけのものだったら、運動できなかった日にマットが目に入るとテンションが下がって、そのうちマットを見たくなくなったかもしれない。自分の性格ならそうなりそう。
しかしマットは運動よりもくつろぎの友ですから。
ゴロゴロ寝そべれたらマットを使えたことに満足できて、寝そべれない日があっても自分を責めたりしませんから。
くつろぎアイテムという属性を付与することで、マットと上手な距離感で付き合えたんだと思います。
マットを使わない罪悪感、つまり苦痛をなくすことができた。
マットを仕舞い込むも…
マット敷きっぱなしのおかげで毎日の運動習慣が身につき、バリバリ筋トレをするようになりましためでたしめでたし…とはなりませんでした。
数ヶ月後、マットは元の玄関収納にお帰りになりました。理由ははっきり覚えていないけど、父のストレッチ習慣が終わったこと、敷きっぱなしだとマットの上にゴミが溜まること、そのあたりだったと思います。
マットが片付けられると同時にわたしのゆるゆる運動習慣も終了しました。ストレッチ・筋トレを本格的に始めたのはそれから数ヶ月〜1年程度過ぎた後、2022年の2月のことでした。
冬季北京五輪で女性アスリートの美しさに痺れたというミーハー200%の理由でも毎日のストレッチ・筋トレを習慣化できたのは、マットと共に暮らす生活の経験があったおかげだと思っています。マット敷きっぱなしなら毎日運動できると知っていたし、気負わずに筋トレ・ストレッチに取り組めたからです。
筋トレ・ストレッチが毎日の習慣になって1年半、今でもマットは敷きっぱなしです。自室に1枚、2ヶ月前から居間にもう1枚。
普段は自室のマットを使っており、居間のは最近ストレッチを再開した父用ですが、わたしも借りています。居間でゴロゴロするときにお世話になっています。仕事後は寝落ち注意です。
マットを片付けるという動作は一生無理なので、これからもマット敷きっぱなしでいくつもりです。
これから家での運動を習慣化させたい方、まずはマット敷きっぱなしから始めてみてはいかがでしょうか。
マットの選び方
最後に、マットの選び方について軽く触れておきます。
といってもわたしが使ったことあるのは5枚だけです(3枚自宅、1枚友人宅、1枚スポーツスタジオ)。
迷ったら「予算5000〜6000円、厚さ5〜6mm」がおすすめです。
わたしが初めて家で敷きっぱなしにしたヨガマットはこのスペックでした。最近は物価高騰だから7000円程度に値上がりしているかもしれません。
友人宅のマットはもっと安いやつでした。ペラペラで寝転んだときや肘をつく姿勢で床の固さが気になるし、長持ちしない。床で滑りやすいのも気になります。借りといてこの言い草は申し訳ないけど、正直な感想です。
床で毎日敷きっぱなしならある程度の性能は必要かと。ちなみに友人宅では普段は巻いて片づけておいて、たまに使うときだけ敷くらしい。その使い方ならプチプラでもいいと思います。
1万円超えするマットもありますが、そこまで高価なものは運動が習慣化してこだわりたくなってからでいいでしょう。
厚さは5〜6mm程度が標準的だとどっかで見たことがあります。寝そべる前提ならこれより薄いと体が痛いと思う。
現在家にあるマットは2枚とも厚さ12mm程度です。
ヨガや筋トレで肘をつくポーズで痛むのが気になって、厚みをアップさせました。わたしの部屋のはsupernaturalsのものですが、すでに廃盤になっているっぼい。安売りになっていたので1年前に買いました。リンク先は厚さ6mmです。
父も寝転んだときに体が痛むのが嫌だということで、居間のマットも厚さ12mmのものを選びました。高コスパでカラバリ豊富です。
ただし厚いと独特の弾力が出て好みが分かれると思います。母は敷きっぱなしのマットの上を歩くと「ブヨブヨしててなんか嫌」と言います。
色はグレー系なら敷きっぱなしでもインテリアの邪魔になりにくいです。
ラグ感覚でインテリアの一環として取り入れられるマットもある。おしゃれ。
マット選びの参考になりそうな記事はこちら。
ヨガマットの選び方「初心者必見」教えます|東京ヨガウェア通販
ヨガマット敷きっぱなしライフを始めよう
運動が苦手でもヨガマット敷きっぱなしならできそうではないでしょうか。興味を持った方は始めてみてください。とにかくゆるいテンションで始めるのが肝要です。
一緒にヨガマット敷きっぱなし生活を楽しみましょう。